ギョレシュについて

ギョレシュについて

起源

トルクメニスタンの国民的競技であるギョレシュはベルトレスリング競技の一つであり、トルクメニスタンにて古代から神事・祝い事で行われていた民族格闘技(伝統遊戯)を近代スポーツ化(単純競技化) したものである。ある歴史学の研究によると、トルクメン人の祖先は男性だけでなく、女性もレスリング技術を有していたことが分かっている。著名なレスラーが最も有能な生徒をひいきにし、palvan(レスリングマスター)に育て上げることで技術が脈々と受け継がれてきた。ギョレシュはトルクメニスタンではたいへんな人気で、ほとんどの祝祭で優勝賞品(羊や車など)目当てに行われているという。また、トルクメニスタンの結婚式では、既婚女性たちによるレスリングの儀式まであるらしい。

ルール

ルールはUWWベルトレスリングやアリシュとほとんど変わらないが、帯の持ち方が違う。

クラシックスタイルとフリースタイルの2スタイルがあり、クラシックルールは足を使った攻撃が禁止されているが、対戦相手の両足がマットから離れた状態だと攻撃側は足の使用が認められる。フリースタイルはどのような状態でも足を使用することが認められている。

【主なルール】

試合時間/3分×1ピリオド

ユニフォーム/緑・えんじの上着と、白のズボンを着用する。

ベルトについて/青色の柔らかい布をまとめて帯状にして、腰の前で拳1つ分の空間を作って結ぶ。相手のベルトを両手で持った状態(互いに右差し・左上手の体勢)で試合が開始される。片方の手はUWWベルトレスリング・アリシュと同様、手首に巻き付けるようにベルトを持つが、もう片方の手はそのまま上から掴む。その手が左右どちらでも構わない。

階級(シニアの部)/男子:57kg・62kg・68kg・75kg・82kg・90kg・100kg・100kg超級の8階級

女子:52kg・58kg・63kg・70kg・70kg超級の5階級

勝敗について/フォールもしくは得点差による判定で勝敗が決まる。

フォールとは相手を自分の腰より高い位置に持ち上げてから落とすような豪快な技で背中から叩き付けるような投げにあたる。その他、基本的に投げ技は1点が付与され、2点先取した選手が勝ちとなる。相手を肩から落とす投げであったり、綺麗に相手の背中をつける投げであっても、やはり相手を自分の腰より高い位置に持ち上げてから落とすような豪快な技でない場合は1点が付与される。

フォールの場合、また2点先取の場合はその時点で試合は終了となる。

所長のまとめ

フォールの豪快な投げ技以外は1点となっていることと2点先取であることから 、ベルトレスリングをさらに単純化したようなルールになっており、他のベルトレスリング系競技に比べ、より早く決着がつきやすく、微妙な判定もないため、見ていて分かりやすい。また、片方の手は手首に巻き付けるようにベルトを持つが、もう片方の手はそのまま上から掴み、その手が左右どちらでも構わないという独特のルールは、片方の太ももに帯を巻きつける韓国の「シルム」や内モンゴルの「シャルボルブフ」にも通じるものがあり、この関連性も今後の研究で進めていきたい。

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